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ATA59 JLD Session Summary 4: J>E Translation in the Context of eDiscovery

November 22, 2018 By JLD Administrator Leave a Comment

プレゼンター:佐藤 基(Hajime Sato)International Litigation Service, Inc. 

会社紹介: カリフォルニア州を拠点に原告側弁護士事務所(米国)をクライアントとし、民事訴訟において被告側から提出される電子文書を検索・閲覧できるように処理し、外国企業が絡む場合は翻訳・通訳を含む様々な関連サービスを米国弁護士へ提供。

Summary by Satoko Willgus

サマリー:

eDiscovery:民事訴訟における手続きの一環として、事実審議前にクライアントが交渉・手続きを行うために必要な文書データの準備。 収集する各文書データ(メール、eファイル、スキャニングデータ、手書きメモ、SNS等)を分析・タグ付け等の処理を行い、弁護士が検索・閲覧できるよう電子情報(ESI)を作成。また、訴訟に外国企業が絡む場合は翻訳化も行う。インターネット技術の普及および電子ファイル化以前は、段ボール50箱にもおよぶ資料を1年半くらいかけて処理していたことを考えるとeDiscoveryは正確性と効率性が増す。今後ますます需要が増え、2023年頃には市場サイズがUS$17Billionになるであろうと予測されるサービスでもある。

eDiscoveryベンダー業務:顧客と話し合い作成フォーマットの決定、検索情報の選定、検索キーワードに引っかかるものが証拠として出るようタグ付け、摂取および生成されたデータのレビューと分析(Smoking Gun/法廷で決定的証拠となりうるものを探し出す)、機械翻訳、弁護士の指摘部分のみ人による詳細翻訳、公判前の証拠開示手続きにて公証人立ち会いのもと証言収録(Deposition)および陪審裁判(Jury Trial)での通訳。

 

J>E翻訳における問題点: 

1)日本語は文中にスペースがなく、機械翻訳では品詞の自動判別が難しく、人によって書き方が異なる調音記号などのOCR判別はもっと困難になる。事前に余分なスペースやメール本文に出てくる改行マークを取る作業が必要。

2)eDiscoveryにおけるCertified翻訳では、正確であり弁護できるものであり、原文が曖昧でも推測インプットせずありのままを表示、間違いは間違いのままである訳文が要求される。(変な英語になる)

3)日本語にははっきりしない単語や表現が存在し、単数・複数が無い。文中から男性・女性の判断をすることが難しく、主語や主題が省略されることが多い。被告側企業の専門用語や略称を直接確認することも不可能。サーチタームとなるような単語の書き方が人によってまちまちである。

(例)エアバック、エアーバッグ、エアバッグ、AB、 Contamination=コンタミ or感染 or汚染, etc.                   提出書類から真意を掴むことは、有利な証拠文書を作成する上でとても重要。

 

翻訳で直面する厄介な日本語の例:

  • 手持ち資料(“手持ち“をどう訳す?)
  • 「~~化」と言う言葉をよく使う。(商品化、同梱化、Mg化など)
  • 「XXする。」(XXの部分をどう訳す?)
  • 「~さん、~様、~殿、~君」や半角ローマ字で書かれているsan、sama(言葉に隠れている上下関係や相対関係のニュアンスをどう伝える?)
  • 「それはちょっと、、、」みたいな未完成文(ニュアンスをどう訳す?)
  • そのまま訳しても意味不明となる「リストを見直しましたので送付します」
                       → 訳例:「I/We」revised the list, and [ I ] am sending it.
  • FTF,SW,NG, CEなど人によって略語の使い方がまちまち。勝手に略語を作る。企業特有略語
  • 辞書に載っていない略語や俗語の真意を伝える。再防(再発防止)、品対(品質対策)、同爆(同時爆発)、ぶっちゃけ等
  • 日本独特の挨拶 → 訳文はSocial Greetingとする(証拠には無関係) 

質疑応答:

Q. マシーン翻訳を使うと正確性に欠けるのではないか?

A. 翻訳の質は低くても弁護士がキーワード検索をし、弁護士の依頼にて証拠が疑われる部分の詳細のみ人を使って翻訳することによりかなりの時間短縮。

 

Q. データの形式は?

A. 様々な形式が存在するため、あくまでも元ファイルと同じように見せるよう編集。

 

Q. 電子ファイルだと勝手に変更・改ざんできるのでは?

A. 変更を加えたりすると全てのアクセス記録が残る。また、ダウンロードはできてもアップロードはできない。(秘匿情報保護)

 

Q. 知的財産訴訟は取り扱わないのか? 企業側に付いた方が利益につながるのでは? 

A. 基本的には企業サポートはしていない。 正義の役に立つことをサポートしている。

 

Q. 原文のスペルミスがある場合は?

A. 例えば、RainをReinと書いていたり前後の意味から「雨」と解釈できるものは、「雨」と訳し「Reinと書かれている」等の注釈を入れる。

 

Q. 日本語独特の社交辞令をどう訳すのか?

A. 証拠としての文書には重要ではないので、「Greeting」とする。社交辞令の詳細訳は不要。

Filed Under: ATA, ATA Conference, ATA59, session summary

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