JLD

Japanese Language Division

  • Home
  • About
    • Past JLD Officers
    • JLD Governance Reports
    • JLD Website Updates
  • JLD Events
    • Upcoming Online Events
    • ATA Calendar of Events
    • Industry Events
  • Resources
    • Information on T&I Scams 翻訳通訳の詐欺情報
    • Academic Articles
  • Online Community
    • Online Forum Rules and Etiquette
  • JLD Blog
    • Division Newsletter
  • Members Only
    • JLD Online Event Video Library
  • American Translators Association
    • Visit ATA
    • Join/Renew
    • Calendar of Events
  • Find a Translator or Interpreter

上手に通訳を活用してもらうために

June 17, 2026 By audra lincoln Leave a Comment

会議の通訳中に、「スピーカーがもう少し上手に通訳を使ってくれたら」と思うことはないだろうか。 

私は社内通訳として25年ほど働いてきたが、今でもそう感じることが多々ある。もちろん、自分の知識・スキル不足を棚に上げるつもりはない。しかし、うまくできたと思える会議には、必ずわかりやすいプレゼンターがいてくださった一方で、「ひどい出来だった」と落ち込む会議では、弾丸のように話すスピーカーや、会議室マイクが音をきれいに拾わなかったケースが少なくない。“It takes two to tango” という表現は、スピーカーと通訳者の関係にも当てはまる。では、通訳を利用する側にそのことをどう伝えればよいのか。ここでは、みなさんの参考になることを期待して、私の勤務先(米国の日系製造メーカー)における通訳グループの取り組みを紹介したい。 

ことの始まりは15年前。当時の日本人社長が、ある会議で次のようなコメントをしてくださった。 

「毎日通訳を使っていて、通訳の出来の背景には、そもそもプレゼンターのスキルがあることが分かってきました。通訳者がどれほどプロとして努力しても、これ以上通訳品質を向上させるには、プレゼンター側の話し方にも工夫が必要でしょう。どうすれば良いか考えてみてください」 

この言葉に背中を押され、通訳者だけでなく会議参加者全体のコミュニケーションを円滑にするためのコツをまとめ、会議冒頭に1分ほどPRする取り組みを始めることになった。 

以来、多少の改訂は加えているものの、基本的には以下の内容を1枚のパワーポイントにまとめて紹介している。なお、スライドのスペースが限られていることもあり、日英の表現は完全には一致していない。 

1.Speak loud enough for everyone to hear(皆に聞こえるように話す) 

2.Be mindful of your distance to the mic in on-site meeting rooms (会議室のマイクとの距離は重要) 

3.100–120 words per minute, pause between sentences(速すぎは逆効果、適度に間を取る) 

4.Short, simple, complete sentences(簡潔に分かりやすく) 

5.Clear pronunciation, especially keywords(明瞭な発音(特にキーワード)) 

6.One at a time and avoid disturbances(一人ずつ、静かな場所から参加) 

当初は毎年1回、2週間の期間でキャンペーンを実施していたが、昨今はしつこすぎずかつリマインドする頻度を上げるため、年2回、各1週間の実施としている。コロナ禍以前は、通訳者が会議開始直前に参加者の前に立ってPRを行っていたが、現在はWeb会議上で画面を共有し、その日のポイント(上記1~6)を1分未満で日替わりで紹介している。今は実施していないが、会議終了後にすばらしい話し方をしてくれた方へ、お礼として星型シールを配っていた年もある。「小学生か!」と思うかもしれないが、驚くほど喜ばれた。会議参加者同士で、キャンペーン中に何枚シールがもらえたかをゲームのように競っていたようだ。 

キャンペーン中に注意していることは、以下の通りである。 

  • アジェンダが詰まっていて1分たりとも惜しい会議もあるため、必ず事前に通訳依頼者へ確認しPR実施の了承を得ること。時間に余裕がない場合は、Web会議のチャット欄にスライドを貼るだけにとどめる。  
  • 「通訳者のため」ではなく「会議参加者全員のコミュニケーション向上」を目的としていること。  
  • PRする会議は、通訳依頼者に断られない限り、役員会議でも外部クライアントとの会議でも同様に行う。(通訳を使い慣れていない会社との会議のほうが効果的な場合もある。)  
  • 全員で一丸となってPRすること。新人通訳など、自分のスキルに自信がない通訳者がこのようなお願いをするのは気が引けるため、「個人のお願い」ではなく「通訳グループとしての共通メッセージ」とすることで受け入れてもらいやすくしている。  

15年も続けていると、さすがに通訳を利用する側にも内容が浸透してくる。キャンペーン以外の場面でも、「もう少しゆっくり話してください」とお願いした際に、それが通訳者個人の問題として受け取られにくくなったように思う。 

もともとは社長のコメントをきっかけに、私たちはキャンペーンを開始できたが、企業によっては雰囲気が異なるだろうし、フリーランスの立場では難しい場合もあるだろう。実際、同じグループ企業ではあるが、他オフィスの派遣通訳者さんから「私の立場では、とてもこんなPRはできない」と言われたこともある。 

それでも大切なのは、「通訳者のため」ではなく、「どうすれば通訳をより効果的に活用してもらえるか」「どうすれば参加者にとって実りある会議になるか」という視点で提案することだと思う。会議冒頭でのPRが難しい場合でも、会議司会者の協力を得て、そのメッセージを会議通知に添付し、事前に共有してもらうことは可能かもしれない。また、会議後に「通訳しやすいスピードでした」とお礼を伝えることで、以降もわかりやすいプレゼンをしてもらいやすくなる。 

通訳者のスキルを最大限に活かすことは、結果として会議参加者の利益にもつながる。その効果を実感してもらえれば、少しずつ「通訳をうまく使う文化」が育っていくのではないかと思う。 

通訳者の皆さん、難しい会議は必ず巡ってきますが、めげずに頑張りましょう! 


【著】ハーバート朋子

【編】audra lincoln

Filed Under: blog posts, interpreting

Leave a Reply Cancel reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

T&I Scam Info 翻訳通訳の詐欺情報

Social Media

Recent Posts

  • 上手に通訳を活用してもらうために June 17, 2026
  • お詫びと訂正 Corrections June 1, 2026
  • Jot That Down May 29, 2026
  • Participating in the ATA Certification (English-Japanese) JLD Workshop  May 15, 2026
  • ATA認定(英日)JLDワークショップに参加して  May 15, 2026

Site Navigation

  • Home
  • About
    • Past JLD Officers
    • JLD Governance Reports
    • JLD Website Updates
  • JLD Events
    • Upcoming Online Events
    • ATA Calendar of Events
    • Industry Events
  • Resources
    • Information on T&I Scams 翻訳通訳の詐欺情報
    • Academic Articles
  • Online Community
    • Online Forum Rules and Etiquette
  • JLD Blog
    • Division Newsletter
  • Members Only
    • JLD Online Event Video Library
  • American Translators Association
    • Visit ATA
    • Join/Renew
    • Calendar of Events
  • Find a Translator or Interpreter

Copyright © 2026 · ATA Japanese Language Division