
JLD member Hanako Iimura is a CoreCHI-Performance credentialed medical interpreter, an ATA certified translator, and certified by the National Association of Educational Translators and Interpreters of Spoken Languages. She is also a graduate of the Monterey Institute of International Studies, earning a masters in translation.
【質問1】通訳に興味を持ったきっかけは何ですか? 医療通訳に興味を持ったきっかけは何ですか?
もともとMIIS (旧Monterey Institute of International Studies)の出身で、学生当時は翻訳に興味があり、翻訳の学位しか取らなかったのですが、通訳の授業も一通り取っていました。
翻訳の仕事をしつつ、アメリカで家族と暮らして社会に関わっていくうち、自分がどのような形で地域社会に貢献できるかを考えるようになりました。そんな折、近くでMedical Interpretingのコースが開講されているのを知り、「これだ!」と思いました。言語スキルや、家族を病院や介護施設に連れていった経験を活かして、地域の日本人社会に貢献できると思えたからです。
【質問2】お仕事の中で最も大変な点は何ですか?
患者の個人情報漏えいを防ぐため、診察内容は全くと言っていいほど事前に知らされません。そのため、ほとんど事前準備ができない状態で臨まなくてはならないのが難しいです。
また、患者にとって不本意な診断結果が出た場合はこちらも心情的に非常につらいです。
【質問3】お仕事の中で最もやりがいを感じる点は何ですか?
医療スタッフと患者のコミュニケーションがスムーズにいき、診察の最後に双方の満足した表情が見られた時、また患者が「おかげで安心して診察が受けられました」と言ってくださった時。
【質問4】医療通訳者のトレーニングでは、患者の権利擁護(アドボカシー)についてよく取り上げられます。どのような場合に患者のために権利擁護を行える/行うべき/行わなければならないのか、また逆に行えない/行うべきではない/行ってはならないのかについて、お考えをお聞かせいただけますか?
患者が口にしていないことを通訳者が代わりに言うことはできません。患者の自主性(autonomy)を侵害しないように非常に気を付けています。どちらかが遠回しに何か言おうとしていて誤解を生みそうな時は、言った内容をわざと確認し、本人の口から明確にしてもらっています。たまにあるのが、英語を話すご家族が同席していて、途中から医療従事者と家族との英語の会話になってしまい、患者が置き去りになること。英語での会話の内容を少々わざとらしく患者に通訳して、医療従事者の気を引き、会話に患者を含めてもらおうと働きかけていますが、必ずしも上手くいきません。
また、日本人は医師に質問することに気後れすることが多いので、自分の最初の自己紹介の際、アメリカではどんどん質問するのはいいことである、医師に質問するのは、患者が積極的に治療に取り組もうとする表れだと肯定的に捉えられる、ということを説明します。これはadvocacyの一環と言えると思います。さらに、私が代わりに発言することはできないので、ご自分の口から言ってくださいね、と念を押します。
【質問5】CCHIなど、医療通訳の資格を取得していますか?
CCHIの認定を受けています。
【質問6】医療通訳のトレーニングや資格取得の前後で、ご自身のパフォーマンスに違いを感じましたか?
通訳を仕事として受け始めたのは医療通訳のトレーニングと認定を受けた後なので、比較できません。ただ、倫理面などで医療通訳の決まりごとが色々あるので、学校で学んでいたときと比べて心構えは変わりました。
【質問7】継続教育(Continuing Education)のクラスはどのように探していますか?
CCHIなどからウェビナーのお知らせが来るので、そういうところから自分に必要なものを選んでいます。また、CHIA(California Healthcare Interpreters Association)のカンファレンスが近場である時は参加しています。
【質問8】医療通訳のスキルを維持するためには、どのような方法がありますか。例えば、医療ドラマを見ることは推奨されますか?おすすめがあれば教えてください。
個人的にあまりドラマを見ないのですが、医療ドラマはおすすめだと言われたことはあります。私自身はニュースなどで医療関係のトピックが目についたら日英に関わらず丁寧に訳語を確認しながら読んでいます。テレビや動画で一般の人向けの医療関係のトピックが流れたとき、頭の中で通訳してみたり、動画を使って練習したりします。あとは医療関係のニュースレターを購読しています。
【質問9】あなた個人として最も多い通訳の形態は何になりますか? また、医療通訳業界全体ではどうですか?(例:電話、遠隔ビデオ、対面、逐次通訳、あるいは同時通訳など。)
私は医療通訳の場合はほとんど同行で逐次通訳です。グループセッションの時だけ同時通訳(ウィスパリングを含む)になります。
医療通訳業界全般で言うと、オンデマンドのビデオ通訳が大きな病院だと必ず用意されるようになりました。オンデマンド対応の場合、通訳はリモートで決められた時間帯(9時~14時など)にPCの前に待機してコールを受けているそうです。リモート・電話で対応が難しい場合に、医療施設が同行通訳をリクエストしているようです。スペイン語のように需要が多く、大きい病院の場合は病院に通訳が常駐しているところもありますが、日本語の需要は少ないので、同行通訳は事前に打診を受けます。
【質問10】AIはあなたの仕事に良い影響を与えていますか?(例:業務の事前準備がしやすくなったか?など。)
調べ物が楽になりました。診察の途中でも、会話の合間にわからない専門用語を入れると訳語だけでなく病気や治療方法などの概要がわかるので助かります。
【質問11】AIはあなたの仕事に悪い影響を与えていますか?(例:言語サポートのために、人間の通訳ではなくAIに頼る医療従事者や患者が増えたか?など。)
今のところはまだありませんが、数年のうちに変わってくるのではないかと思います。
【最後に一言】
アメリカで、病院や学校などでリクエストすれば無料で通訳を付けてもらえるということはあまり知られていないと思います。アメリカでは、言語が障壁となって十分なサービスを受けられないのは差別に当たると見なされます。周りに、(日本人に限らず)英語が苦手だから病院に行くのが億劫だ、という人がいたら、通訳を無料で付けてもらえることをぜひ教えてあげてください。
【著】Hanako Iimura
【編】Tomoko Herbert


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